はじめに
NMN=ニコチンアミドモノヌクレオチドは、サプリメントとして注目を集めるエイジングケア※2成分です。化粧品原料として考えると、NMN(NR)は経皮吸収されないため配合するには不向きな物質です。 経皮吸収されないNMN(NR)に、浸透型※1ペプチドビタミンC誘導体『Pentide-C』の技術を進化させ、組み合わせた原料が『Pentide-NMN』です。角質層に浸透する機能を持ったPentide技術をNMN(NR)誘導体に使用し、NMN誘導体を浸透※1させることができます。必要な時にPentide-NMNが速やかにNMNに変換されます。 これまで化粧品には不向きな原料だったNMN(NR)に浸透性※1をもたせさらに安定化させることで、肌専用とも呼べる化粧品原料としたのが『Pentide-NMN』です。※1角質層まで ※2年齢に応じたケア
NMNとは
NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)は近年注目されているアンチエイジングに関わるサプリメント成分です。NMNは細胞内でNAD+に変換され、アンチエイジング遺伝子であるサーチュインを活性化することが報告されています。しかし、化粧品原料としてNMN を考えると、経皮吸収されないことが大きな問題となっており、浸透性以外にも化粧品原料としての安定性や細胞内部での伝達効率の低さについても問題があり、改善する必要がありました。
NMN | Pentide-NMN | |
浸透性 | 皮膚に浸透しない | 皮膚に浸透する |
安定性 | 水分に弱いため、処方中で分解されてしまう | 水溶液中でも安定 |
細胞内部への伝達 | 伝達効率が悪い | 低濃度でも細胞内部への伝達効率が良い |
成分の浸透を促進する技術 Pentide
NMNは水溶液中で分解されやすく、皮膚への浸透機能が失われてしまいます。加えて、化粧品に配合しても時間が経過するとNMNは分解されてしまうため、化粧品成分として効果を発揮することは難しいです。しかし、Pentide-NMNは皮膚へ浸透し、皮膚細胞などの組織内でNMNへ変換され、その後NAD+に変換されることにより様々な効能効果を発揮します。
Pentide-NMNの浸透性
Pentide-NMNの皮膚への浸透性をFranz Diffusion Cell Assayを利用したIn Vitr皮膚透過実験にて確認をしています。NMNは24時間でほとんど浸透性がみられませんが、Pentide-NMNは24時間で27.6%の優秀な皮膚透過性を確認しました。
Pentide-NMNのメカニズム
肌の中に吸収された『Pentide-NMN』は細胞の中に取り込まれるとタンパク質分解酵素の働きで分解され、速やかにNMN を誘導すると考えらえます。そのためNAD+を増加させサーチュイン遺伝子を発現させることが確認されています。
『Pentide-NMN』は老化した細胞だけでなく、炎症状態にある細胞に対して、炎症性のサイトカインを抑制し、NAD+を増加させることから、通常の老化に加え、近年注目を集める“Inflammageing(炎症性老化)”に対しても非常に有効であることが示唆されています。
サーチュインの増強効果
線維芽細胞老化モデルとしてドキソルビシン誘導法を使用し、ドキソルビシン処理で老化した線維芽細胞でSIRT1量が減少することを確認しました。老化した細胞におけるPentide-NMNの処理により減少したSIRT1量が濃度依存的に回復することを確認されました。
ヒト臨床試験③ 肌の明るさの改善
Pentide-NMNを3%配合したクリームを24名の被験者に対し、毎日朝・晩使用してもらい肌の明るさの改善について評価をしました。結果、肌の明るさについて2週間・4週間にて統計的有意差を以て改善が認められました。Pentide-NMNは、肌の明るさの改善効果に期待ができることが示唆されました。